63年ぶりの場所
63年ぶりにある場所を訪ねました。私の幼い頃に両親と住んでいた家を何故か見てみたくなったのです。
私は今までに、学生時代や独身社会人時代の寮やアパートなども含めると11回も住むところを変えています。その中で幼い頃に両親と住んでいた家が一番思い出に残っているのです。実際にはどのくらい本当に記憶に残っているのか、単に覚えているような気になっているだけなのか良く分からないのですが・・・、稀ですが夢で見たりするのは決まってこの家とこの地なのです。
自分ではまだ高年齢者だとは無いと思っているのですが、昔のことを懐かしむこと自体、歳を取ったという事なのでしょうね。
今ではGoogleマップという便利なものがありますので、目指す場所を見つけるのは容易になっていますよね。でも、その当時の家は何十年も前に人手に渡り、建て替えられて記憶とは全く別物になっていました。記憶と一致できたものは戸籍に残っていた住所だけで、空虚感いっぱいでこの地の記憶を追い求めてただ歩いていました。
「赤門」と「梵鐘の突き棒(しゅ木)」
今年もこの時期になると、いろいろな花いっぱいになりそうですね。
しっかりとした記憶を見つけられないままこの地を歩き回っていると、たまたま赤い楼が目に飛び込んできまいた。
それと同時に幼いときに感じた恐怖心がよみがえってきました。
幼いときに何故か不気味さを感じ近寄るのを避けていた「赤門」だったのです。
これはあるお寺さんのりっぱな門で、境内にはこれまた立派な大きな梵鐘が吊るされていたはずです。
ここまで記憶が戻ってきた時、たしか、吊られていた「梵鐘を突く棒(しゅ木)」の端部にえぐられた傷があったはずだ!と記憶がさらに蘇りました。
63年ぶりに訪ねた場所に、生きていた証拠を見つけた
早歩きで行ってみると、63年の風雨などで傷みが加速し、現在ではそれの端部がさらに朽ちていた姿を見ることが出来たのです。
一気にタイムマシンに乗って63年の時を超えてこの世に降り立ったような感覚に陥り、子供のように独りで興奮してしまいました。
63年前にもこの地に生きていたという証拠を見つけることが出来たという話でした。
今日も訪問していただきありがとうございました。感謝。