この記事は民間の介護保険に入るべきか、その選択の判断についての考えを書いています。
参考になれば幸いです。
我が家の郵便受けの中にこんな地元のA銀行からのレターが入っていました。
「ご家族に迷惑をかけないための、安心の備えが、あるとしたらどうしますか? このご案内は、A銀行の預金者さま限定のご案内です。
介護でどうしても、ご家族に迷惑をかけたくない方のみ読んでください ・・・・・・・・・・・等々。
内容はいろいろと読む人の感情に訴える文章で埋め尽くされていましたが、どうも銀行Aとある保険会社がコラボした介護保険の勧誘のお手紙でした。
このお手紙はシニアの私にとって介護保険を考える良い機会でしたので、私なりに介護保険について考えたポイントだけをまとめてみました。
1.介護保険とは
年齢が40歳になると強制加入となる公的介護保険のほかに、今回の勧誘お手紙のような生命保険会社等が販売している民間介護保険があります。
民間介護保険は、公的介護保険のように強制加入とはならず、あくまでも将来の介護や介護費用に対して心配な方が任意で加入する生命保険となります。
公的介護保険 | 民間の介護保険 | |
介護保険の加入義務 | ・あり(40歳から強制加入) | ・なし(任意加入) |
給付方法 | ・原則自己負担1割の現物給付(介護サービスを給付) | ・現金給付(契約に応じた保険金) |
介護保険料 |
・住んでいる市区町村や収入(所得)によって、それぞれ異なる ・40歳から死亡するまで介護保険料を負担し続けていかなければならない |
・契約年齢・性別・契約内容・生命保険会社によって、それぞれ異なる ・保険会社との契約によって、介護保険料の負担する期間を任意で選ぶことができる |
給付要件 | ・介護保険法に定められている7段階の介護度合いの内、いずれかの介護認定を受けていること(年齢によって異なる) |
・各生命保険会社が定めている約款によって異なるー公的介護保険の要介護認定と連動して保険金を支払う「公的介護保険連動型」と、保険会社が独自で介護状態を判断しその状況に応じて保険金を支払う「保険会社独自型」とがある |
2.民間介護保険加入のメリットとデメリット
① メリット
- 公的介護保険を利用した際に生じる介護サービスの自己負担額を補填することができる。
- 生命保険料控除が受けられるため、所得税や住民税の負担軽減効果がある。
- 将来の介護費用に対する備えを準備することができる。
② デメリット
- 公的介護保険とは別に生命保険会社に保険料の支払いをしなければならないため、経済的負担が重くなる。
- 保険金の支払いを受けるには、公的介護保険の要介護認定を受ける必要があるため、身体状態によって、保険金が必ず支払われるとは限らない。
3.私の民間介護保険に入るか否かの判断基準
ひとによって一律には言えませんが、私の場合は自分のために民間介護保険に入る必要は無いと判断しています。
民間介護保険の加入によって、有事の時にどのくらいの現金給付があるのかを調べると、普通は300万円~500万円です。おそらく、この金額は介護費用で不足するかもしれない金額として保険会社がいろいろ調査の結果で算出しているのでしょう。
私の判断の根拠は、現在は公的介護保険がかなり充実しているおかげで、要介護になって特別老人ホームに入っても1割負担でサポートを受けられます。ですから、1割負担分とその他の介護追加費用などの出費は 「厚生年金」と「介護費用に充当できる預貯金が300万円~500万円」があれば子供達に大きくは迷惑をかけないと判断し、この費用は既に横に置いています。これがその根拠です。
さらに、
私の父は2年ほど、母はなんと10年以上も特別老人ホームにお世話になり他界しました。この間、年金+少額の持ち出しだけで特に金銭の問題は出ませんでした。それよりも、月に2回ほど特別老人ホームを訪ねた時のなんとも言えない寂しい気持ちになる私自身のメンタル面の問題の方が大きかったと感じています。これは、経験からの根拠です。
4.さいごに
介護費用に充当できる預貯金が300~500万円ある人、公的年金が厚生年金月額平均値レベル月額18万円以上ある人、介護のための身内のサポートが十分期待できる人などは、民間の介護保険に加入する必要性は低いのではないでしょうか。
しかし、預貯金や公的年金が少ない人、介護サポートをお願いできる身内が近くにいないが手厚い介護サービスを希望している人、このような条件に当てはまる人は民間の介護保険を利用して自分の介護費用を準備しておくことが必要ではないでしょうか。