女性で初めてエベレスト登頂に成功した登山家・田部井淳子がモデルの映画です。
低山歩きが趣味の私が、彼女が晩年リハビリのために登っていたとして有名な日和田山に3か月ほど前に登りに行ったときに、登山口の近くの場所で田部井淳子展が開催されていて、登山家としての彼女に興味を持ちました。ということで、今回の映画が上映されることをずっと待っていたのです。

映画での主人公の多部順子は、女性で初めてエベレスト登頂に成功した登山家・田部井淳子がモデルで演じるのは吉永小百合でした。全く異なる世界の2人ですが、さゆりすとの私にとって、これも興味ある映画となりました。
純子(吉永)は、病院でがんを告知される。余命宣告まで受け、夫・正明(佐藤浩市)はショックを受けるが、純子はまったく気にしない様子で明るく振る舞う。旧知の親友である記者の悦子(天海祐希)をキャンプに誘った純子は、テントの中で、エベレスト登頂を目指した青年時代を回想する。
若い頃から純子は、困難を困難とも思わない、前向きな女性だった。資金難にもめげずに世界最高峰を制覇するが、思わぬ試練が待っていた。純子だけが注目されることで、登山隊の女性たちの結束にひびが入ってしまったのでした。それどころか、息子の真太郎(若葉竜也)が、有名人である母に反発し、親元を離れてしまう・・・。
山岳映画としても、味わい深い。国内の様々な山でロケをしたようでしたが、後半の富士登山の場面や、純子と正明が若かりしころ山での出会いを振り返るシーンは、こんな場所で人生の最後を飾りたいと思わせる美しさを放っていました。
また、役者についてですが、青年期を演じたのんの魅力を感じることが出来ました。不思議な包容力と軽みをもった独特の存在感は、どこか吉永にも通じるものがあるのではないかと。
この映画は見る人の年齢により、受け取り方がかなり違うだろうと。特に、人生という山を登りきり、これから下りていこうというまさしく私と同世代の人たちには、大切な何かが残るはずと思った次第です。
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