親を持つ誰もが経験する「介護」
「親の介護が始まると、子どもは人生が変わり始める。」とよく言われますが、親を持つ誰もが経験することではないでしょうか。これは避けようもないのは分っていても、それでも親の介護で自分の人生は変えたくないとあがいてしまうのが現実ではないでしょうか。
介護付き老人ホームは、介護をする家族の負担を限りなくゼロにしてくれます。しかし、その代償は、やっぱりお金になります。 親が経済的に豊かで、自分で有料介護付き老人ホームへ入居をすれば子どもたちにとって負担が最小ですみます。しかしお金が少ない親であると子どもたちがそのお金と労力と時間を負担することになってしまうなる訳です。
経済的にあまり余裕のない親が子どもたちに出来ることは、できるだけ健康寿命を伸ばし、自活生活が出来る体を維持続けることです。費用の多くかかる介護付き老人ホームに入居する期間をできるだけ短くし、天命近くまで自宅で普通の生活ができるようにする事です。「元気でころり」これが「子どもたちに迷惑をかけたくない」といつも言っている親の一番の子供孝行ではないのでしょうか。
介護をする側の子どもたちにも自分たちの人生があり、でも介護は避けて通れない難しい問題なのです。
親を老人ホームに任せる本音は自分たちの時間を確保したいから?
介護が必要な親を介護付き老人ホームにお願いする事の本音は、手厚く介護というよりは自分たちの時間を確保したいだけかもしれません。
妻の母親(=私たち夫婦はおばあちゃんと呼んでいます)は、自活生活が出来なくなったら、自分の資産を処分して介護付き老人ホームに入居し、子どもたちに迷惑をかけたくないと言っていました。
そんなことを言っていた矢先、昨年10月台風19号の被災で一人で自活生活を送っていた自宅を離れることを余儀なくされてしまいました。そして、今は、私たちの家で同居しています。
被災した時には、隣の市に住む妻の弟が親身に後片付けをしたり足を運んでくれた。しかし、弟夫婦はおばあちゃんとは以前から諸事情によりかなりの距離を置いているのが現状です。有事の時は別として、介護はあまり期待はできないようなので、私たち夫婦が我が家で介護をすることに決めたのです。
親の介護が始まると、私たち夫婦の人生が変わり始めた
現在、まだおばあちゃんは96歳としては驚くくらいしっかりしています。私たち夫婦は介護というよりまだサポートをしているレベルです。
それでも、夫婦でおばあちゃんを残して私たちの娘や孫の家に泊りがけで出かけたり、ドライブなどで終日出かけることができなくなってしまいまいた。旅行のような連泊でのお出かけなんか夢になってしまったことを感じ始めました。
本格的な介護が始まる前に、手を打っておく
目先の話としては、私たち夫婦が家を空ける時におばあちゃんを預けることができるような介護付き老人ホームにお世話になれるようにしておきたいと市の高齢福祉課に相談。サービスを利用するには要支援・要介護支援認定を受けることが第一歩であることを知りました。
あわてて、要支援・要介護支援認定の申請
申請してから結果が出るまで1~2か月と聞いていましたが、ほぼ1か月後に通知が届きました。
要介護1 でした。
その後、ケアマネージャーと在宅介護支援のケアプランを作成。おばあちゃんの要望と私たち夫婦の希望通りに週1回のデイサービスと月1回の2泊3日のショートステイサービスの契約へと進むことができました。
これによってこれらのサービスを定期的に利用しながら、近いであろう将来に重い介護生活をスムーズに受けられるように準備をすることができるようになった訳です。
デイサービス(通所介護)
施設に通って受けるサービスです。通所介護施設で、食事、入浴などの日常生活上の支援や、軽い体操や利用者のみなさんと交流など生活行為向上のための支援を日帰りで受けられます。自然豊かな場所の清潔な新設小規模施設で、おばあちゃんは満足してくれたので安心しました。
ショートステイサービス(短期入所療養介護)
自宅での介護の手を休ませたいときや、終日・数日間外出するときに、その間だけ入所してもらい介護をしてもらうことができるとてもありがたい介護付き老人ホームです。ところがショートステイを受け入れてくれる施設は少ないために、競争率が高く、2か月前には予定を決める必要があります。実際にどの程度利用したいときに利用できるか心配なところです。おばあちゃんは現在は見守り介護レベルですので、お泊りに行くときには本や趣味の手芸関係の荷物を自分の個室に沢山持ち込んで、自分なりの生活パターンを作って、できるだけ快適にショートステイにお世話になれるようにと考えているようです。
当面は
これらのことによって おばあちゃんの居宅での私たちによる介護と施設や老人ホームにお願いする部分を分けることによって、介護費用も無理のないレベルに抑え、同時に私たちの時間の確保も有る程度出来るようになるのかなと考えています。