画面から離れて、ラジオのある生活へ

私は一日の大半をパソコンの外付けモニターの前で過ごしています。朝から晩まで画面を見つめ、用事が終わっても、気づけばまた別の画面を開いている。そんな生活の中で、文字が以前よりも読みづらくなり、目の疲れが抜けなくなっていることを、はっきりと自覚するようになりました。

そんな日々の延長線上で、私の生活は少しずつ「ラジオ中心」に戻りつつあります。そのきっかけは、一台のラジオを買ったことでした。戻る、という言い方をしたのは、若い頃にはごく当たり前のようにラジオが身近にあったからです。テレビが一家に一台の時代、いや、その前から、ラジオは静かに、しかし確実に私たちの暮らしの中に存在していました。

便利すぎる時代の中で

今はスマートフォン一つあれば、ニュースも音楽も動画も、好きな時間に好きなだけ手に入ります。検索すれば答えはすぐに出てきますし、見たいものだけを見ることもできます。便利であることは間違いありません。

一方で、私の一日はほとんどパソコンの外付けモニターの前で過ぎていきます。朝から晩まで画面を見つめ、気がつけば目が重く、文字がぼやける。老眼の進みが、ここ数年で急に早くなった気がするのも、気のせいではないでしょう。

仕事や用事が片付くたびに、休むつもりでまた別の画面を開く。その繰り返しに、便利さとは裏腹の疲れが静かに溜まっていきました。そろそろ生活の何かを変えたい。そんな思いが、胸の奥に残り続けていたのです。

ラジオを迎え入れる

と言う訳でラジオを迎え入れるためにあれこれ探し、結局私が選んだのは2つのラジオでした。ひとつは、少しクラシカルなデザインのラジオでした。木目調で、ダイヤルを回して周波数を合わせる昔ながらのものです。正直に言えば、音質や機能よりも、形に惹かれたのだと思います。  もう一つは実用本位の使い易しそうなラジオです。初めはどちらか一方を選ぶつもりでしたが、最近のガジェット類からするとラジオの価格は安いので、ついアマゾンで最終的に2つ一緒に買ってしまいました。

 

 

 

アマゾンから届いたラジオを、机の上に置き、そっと電源を入れる。その一連の動作だけで、気持ちが少し高揚しました。ラジオを「聞く」前に、ラジオと「暮らす」準備をしているような感覚でした。

すると、そこには懐かしい「間」がありました。パーソナリティの少し噛んだ言葉、スタジオの空気感、リスナーからの手紙。どれも完璧ではないけれど、どこか人の体温を感じさせるものでした。

聞き流せる心地よさ

ラジオの良さは「聞き流せる」ことにあると思います。画面を見る必要はありませんし、集中しすぎる必要もありません。料理をしながら、洗い物をしながら、あるいは夜、布団に入る前に。

情報は耳から入ってきて、必要なものだけが頭に残る。残らなければ、それでもいい。その気楽さが、今の私にはとても心地よく感じられます。

偶然との再会

ラジオには偶然があります。自分では選ばなかった音楽、知らなかった話題、思いがけず心に残る一言。アルゴリズムが選んだ「おすすめ」ではなく、たまたまその時間、その周波数に合わせたからこそ出会えるものです。

その偶然が、時に昔の記憶を呼び起こしたり、誰かの人生にそっと寄り添ったりします。これは、効率を重視する今の時代では、少し贅沢な体験なのかもしれません。

夜のラジオ

昼間のラジオも悪くはありませんが、今の私にとって本命は夜です。一日の終わり、パソコンの電源を落とし、外付けモニターの黒い画面を見なくなったあとに、ラジオのスイッチを入れます。

夜のラジオは、何かを教え諭すわけでも、急かすわけでもありません。少し抑えた声のトーン、ゆっくり流れる音楽、間のある会話。それらが、酷使した目と頭を、静かに元の場所へ戻してくれるように感じます。

一人で聞いているはずなのに、どこかで誰かと同じ時間を共有している。夜のラジオには、そんな不思議な距離感があります。

ラジオが教えてくれたこと

ラジオへの回帰生活は、私に「急がなくてもいい」ということを教えてくれました。すべてを把握しなくてもいい。流してしまってもいい。聞き逃しても、また明日がある。

便利さや効率の裏側で、私たちは少し大切なものを置き忘れてきたのかもしれません。ラジオはそれを、声と音だけで、静かに思い出させてくれます。

おわりに

ラジオへの回帰生活は、私に「急がなくてもいい」ということを教えてくれました。すべてを把握しなくてもいい。流してしまってもいい。聞き逃しても、また明日がある。

机の上のラジオは、今日も特別な主張をするわけではありません。ただ、ダイヤルの向こうから、誰かの声と、今この瞬間の時間を運んできます。

便利さや効率を手放さずに生きることはできます。でも、あえて遠回りを選ぶことでしか得られない心地よさも、確かにあるのではないでしょうか。

眠る前、ダイヤルを少し戻し、ラジオの音がふっと消える瞬間があります。その静けさは、昼間の無音とは違い、一日をきちんと終えたあとの静けさです。

さ~て、私の生活をこれら2台のラジオと共にのんびりとした「急がないでいい生活」に変えていきたいと思います。

 

 
 

 

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